ねぇ、松風くん。


***


「アイスココアと、ミルクティー、それからショートケーキを2つ下さい。」


「アイスココア1つ、ミルクティー1つ、ショートケーキがお2つ…ですね。かしこまりました。少々お待ちください。」



可愛らしい中学生2人組のお客さん。

高校生になって2年目。ブレザーを着ている今、やけに懐かしく感じるセーラー服。



可愛いなぁ。


セーラー服を着て、オシャレなカフェで恋話に夢中な女の子たちを見てこっちまで微笑ましくなってしまう。



カランカラン~♩


オーダーを伝えるために、厨房の綾菜さんの元へ向かっていた私は来客を知らせる鐘の音に振り返る。



「いらっしゃいま……って、松風くん。」


「お疲れ。ごめん、遅れた。」



そこにいたのは急いで来たのか、少しだけ乱れた呼吸の松風くんだった。

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