ねぇ、松風くん。
「お待たせしました。こちらがアイスココア、こちらがミルクティーです。あと、こちらがショートケーキになります。ごゆっくりどうぞ。」
慣れないウェイトレス。オーダーを取るのも、オーダーされたものを運ぶのも緊張してしまう。
せめて笑顔で接客することを目標にした私は、先ほどのセーラー服の女の子たちへ精一杯の笑顔を見せ席をあとにした。
「可愛い人だね〜!」
「ね!店の制服も似合ってるし」
歩き出した私に聞こえてきたのは、さっきの女の子たちの会話。
……こ、これって!私のこと?
やばい、嬉しすぎて昇天しそう。ニヤニヤと緩む口元を必死に引き締める。
精一杯の笑顔で接客して良かった。これからも頑張ろう!
「佐々木さん、人気だね!」
「っわぁ!び、ビックリした。源さん!」
突然背後から声をかけられ振り返ると、そこには同じくこの店でバイトをしている源 - ミナモト - さんがいた。