ねぇ、松風くん。
とは言うものの、一人っ子の私にとってお姉ちゃんと言うものは永遠の憧れでもあって。
綾菜さんみたいなお姉ちゃんがいてくれたらなぁ〜、なんて思ったりもするのだけれど。
「はいはい。」
綾菜さんがそう言うことくらい分かっていたとでも言いたげに、持っていたスクールバックを肩にかけ”着替えてくるから”と言い残して控え室の方向へ歩き出した。
「ま、待って松風くん!私も手伝うから!」
松風くんの背中に向かって勢いよく叫んだあと、私の声に振り返った松風くんに向かって駆け出した。
「…佐々木さん、手伝ってくれんのはありがたいけど、今一緒についてくんの?」
「え?どうして?」
「いや、俺は別にいいけど。佐々木さん…俺と一緒でいいの?」
松風くんはさっきから何を言っているんだろう。手伝いをするんだから、せめて役割分担くらい済ませなければバラけられない。