ねぇ、松風くん。


頭の中にはハテナマークがいっぱい。


「え〜っと…うん?」


よく分からないまま頷けば、少し驚いたような呆れたような表情を見せたあと、なぜか松風くんは着ているブレザーのネクタイを緩め始めた。


「…え、ちょ、ま、な、何してるの?」


そのままネクタイを外した松風くんは、尚もワイシャツのボタンを1番上からゆっくり外し始めて、無駄に綺麗な鎖骨が露わになる。


「ま、松風くん!すみません、ごめんなさい、許してください!ってか、何してるんですか!」


もう、分かんない。
何が何だか分からなくなってしまった私が発した言葉もまた、何が何だか分からないものだった。


「ぶっ……ははっ。」


「え?な、なんで笑って……」



あれ……松風くんが声を出して笑っている。あまり表情を表に出さず、基本クールで無表情な松風くんが。


笑うとくしゃっとなる目元。


なんだ、無邪気に笑えるんじゃない。おかげで私の胸はまたドクンと変な音を立てた。
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