ねぇ、松風くん。
「あれ?いつからいたの?って顔してるけど、私 最初からいたわよ。」
腰に手を当ててニヤリと口角を上げる彼女。
確かに、そもそもこの場で綾菜さんと松風くんと3人で話していたのだから当たり前だ。
都合よく綾菜さんだけ別の場所にワープするはずもない。
「あ、あの……」
今の一連の流れを見られていたという恥ずかしさから何を言っていいか分からない私。
「久しぶりに見た。葵が声出して笑うところ!……それに、初めて見た。葵が女の子にあんな冗談言うところ。」
「……それはどういう…⁈」
”ん〜”と、少し考えた綾菜さんは、にっこり笑ったあと、”葵がクールでいられるのも、あと少しってことかな”と続けた。