ねぇ、松風くん。
「あと少し…」
だめだ。
言葉の意味を理解しようと投げかけた質問。
しかし、その答えによって理解するどころかますます意味不明になってしまった。
「あれ、頭が混乱しちゃったかな?…ま、そのうち分かる日が来ると思うよ。」
そう呟いた綾菜さんがニタリと笑った時、”オーナー!注文入りましたー!”と遠くで源さんの声がした。
「あ、仕事 仕事!優ちゃん、葵をよろしくね!泣かされたら私に言って!便器に顔突っ込んでやるから☆」
ね!と念押しされた私は、なぜ松風くんをよろしくされたか考えるより先に、便器に顔を突っ込まれてる松風くんを想像してしまった。
…ぶっ。やばい。
そんな私を残してスタスタと厨房に向かっていった綾菜さんを見ながら自分も着替えなければいけなかったことに気が付いた。