ねぇ、松風くん。
発信ボタンに指が触れると、数秒後には呼び出し音が聞こえた。


プルルルルーーー



「はい、松風です。」


「…あ、佐々木です。遅くにすみません。今お時間大丈夫ですか?」


「あぁ!優ちゃん?大丈夫よ。どうしたの?」


電話の向こうから、いつもと変わらない綾菜さんの落ち着いた声が聞こえる。
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