ねぇ、松風くん。



綾菜さんは私の返答に呆れたように息を吐くと”無自覚が1番危ないのよ。”と少しドスの効いた声を出した。



「とりあえず、合コンの事は後から報告してね!明後日は代わりに南野くんに入ってもらうから安心して。」


「わ、分かりました。本当にすみません!南野くんには、後で私からお礼しておきます。ありがとうございます!」


「うん。あ…バイト以外でも、何かあればいつでも電話してね。」


やっぱり、綾菜さんみたいなお姉ちゃんが欲しかったなぁと思わせるには十分すぎるほど、いつも素敵な女性だ。

松風くんが羨ましいくらい。


「綾菜さんありがとうございます。」


私は松風姉弟に今まで何回 お礼を伝えてきただろう。それだけ姉弟そろって優しさに溢れている証拠だ。


”それじゃ、またね”と、最後まで優しい声色の綾菜さんとの電話を切った後、不思議と心地よい眠りに誘われてそのままベッドに身を投げ出した。

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