ねぇ、松風くん。



***



あー。足が重たい。

そもそも他クラスの男子って…何組?


いや、この際 何組だろうとどうでもいいのだけれど。

ついに合コン当日。


学校が終わって、1度家に帰り着替えを済ませた私は菜穂とカラオケHelloの前で待ち合わせて一緒に中に入ることにしていた。



「…菜穂!」

「あ、優!遅い!」

「ごめんごめん、足が重くて…」


カラオケHelloの前、壁にもたれてスマートフォンを見つめていた菜穂は、私に気付くとそのままスマートフォンをカバンへとしまった。


「ま、ゆる〜く参加してサクッと帰ろ。」

「うん。巻き込んでごめん…。」

「ほんと、それな。」


軽く私を見て目を細めた菜穂は、鬼瓦の形相。


可愛いんだから、もっと変顔は出し惜しみしなよ…もう。
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