ねぇ、松風くん。


「あ!2人とも待ってたよぉ〜♩」


部屋の中に入れば、甲高い美香ちゃんの声が私たちを迎えてくれた。


「遅くなってごめんね!」


「全然、大丈夫だよ〜♩適当に座って!あ、もちろん男女交互になるように!」


人差し指を立てて”ねっ!”と可愛くウィンクを決める美香ちゃんは、やはり男ウケを全力で狙いに行っている。


私たちが最後だったらしく、部屋の中には男子5人、女子4人が男女交互に綺麗に並んでいた。



あぁ、やだ。どうしようもなくやだ。
誰が入れたかジャカジャカ爆音でかかりだしたカラオケに一瞬耳を塞いだ。


さっき受付でグラスを渡された=ドリンクバー付きという事だろう。

つまりドリンク注文係として地味に生息するのは不可能と言う訳だ。


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