ねぇ、松風くん。
「優ちゃん。……彼氏いる?」
そんな私の心境を知ってか、知らずか少し遠慮がちに聞かれた質問に私は首を横に振った。
今まで好きな人はいたけど、彼氏なんていた事がない。
高校2年生にもなって、付き合った事がないのはやはり恥じるべきことなのかな。
「っ…良かったぁ〜。」
首を振る私を見て心底安心したとでも言うように、カラオケの爆音に掻き消されそうな程 小さな声で呟くと、潤くんはふわっと笑った。