ねぇ、松風くん。
カラオケHelloを出た私と松風くんは何を話すわけでもなく。
かと言って沈黙に気まずさを感じるわけでもなく。
心地良い空気が私を包んでいた。
「ま、松風くん…彩ちゃん置いてきてよかったの?」
「……あのテンションについてくの、ちょっとしんどい。」
「あ〜、彩ちゃん元気だもんね〜‼︎」
気になっていた松風くんと彩ちゃん。松風くんの言葉に、内心ホッとしている自分に気付いて何だか自分が少し嫌になった。
「佐々木さんこそ、言い寄られてたんじゃないの?」
「え!私は全然そんなんじゃないよ!ちょっとからかわれてただけ。」
「そう?」
”かっこいいやつだったのに”と付け足した松風くん。
その言葉を私の脳は、”松風くんは私に興味がない”と解釈した。