ねぇ、松風くん。
「あ、」
そう声に出した私の視線の先を目で追った菜穂と潤くんは視界に松風くんを捉えると、それぞれ真逆の反応を見せた。
「あ!優の松風くん…移動教室かしら?」
「……。」
ニタリと笑って肘で私の脇腹あたりをツンツンと小突いた菜穂と、無言でただ松風くんを見つめる潤くん。
「……っ!」
教室の窓際に立ってボーッと松風くんを眺めていた私は、廊下を歩いている松風くんと不意に目があった。
メニュー