ねぇ、松風くん。
どうしてこんな状況になったんだろう。考えても考えても、真っ白になった頭では答えが出るわけもなく。
「…また、バイトで。」
一向に解放されない体に身動きが取れない私に、何かを言いかけて飲み込んだ松風くんは、それだけ言い残して再び歩いて行ってしまった。
「…ごめん、優ちゃん。」
「な、なんで…」
なんで、抱きしめたの?そう聞きたいけれど、”優ちゃんが俺と付き合うって言ってくれるまで”そう言った潤くんの言葉を思い出して、言葉をつまらせた。