ねぇ、松風くん。


***


松風くんは”またバイトで”なんて言ってたけど…


「今日シフト違うじゃんか。」


ガッカリって言うか、寂しいっていうか…。

でも潤くんに抱きしめられているところを偶然にも見られてしまった事に対する気まずさから、顔を合わせない事に少しホッとしている自分もいたりする。


「はぁ…。」

「ちょっと!看板娘さん?バイト中は笑顔でお願いできるかしら。」


「綾菜さん…すみません。」


冗談半分に私の顔を覗き込む綾菜さんに、知らず知らずのうちに暗くなっていた自分の顔をペチペチ叩き喝を入れる。
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