ねぇ、松風くん。
私は全て話した。
初めてバイトに来た日に、松風くんに一目惚れしたことも、
報告してねと言われていた合コンの日のことも、
そして今日、教室で潤くんに言われた言葉、見られたくない場面を松風くんに見られてしまったこと。
「…という訳なんです。」
「なるほどね〜。」
面白い展開じゃない?とノリノリな綾菜さんとは打って変わって、顔面蒼白にも近い私。
「松風くんが私に微塵の興味も示してないのは一目瞭然なんですけどね。」
「ん〜、それは葵にしか分からないじゃない。」
確かに、それなごもっともですけど。
なんか、分かるんだもん。
「それに、私は葵には優ちゃんみたいな子がいいと思ってたし。優ちゃんみたいな妹も欲しいし…。」
「…綾菜さん。なんか、そう言ってもらえただけで嬉しいです。」
改めて思う、私も綾菜さんみたいなお姉ちゃんが欲しかった。