ねぇ、松風くん。


顔が整ってるから当たり前なのかもしれないけど、制服をこれでもか!ってくらい完璧に着こなしてて…

こりゃ松風くん狙いのお客さんも中にはいるかもしれない。


看板娘云々を心配する必要がないことを今更悟った私は、ホッとしたような悲しいような複雑な心境に陥る。


「…佐々木さん、何年?」


そんな、哀れなる佐々木に松風くんの透き通った声で質問が飛んできた。


「2年です。松風くんは?」

「なんだ、一緒じゃん。なら敬語やめて。面倒くさいから。」


”んま、仮に上でも下でも敬語やめてって言うつもりだったけど。”


松風くんはそう付け足すと、また私へ視線を向けて返事を待っている。

それに、コクンと頷くと”よし、今度はレジ。”と、今度はレジのある方へ歩き出した。

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