君からのアイラブユー



結局、矢吹くんとの関係は切れず、教室に戻ったのは授業が始まる5分前。

……また時間を無駄にしてしまった。

今まで勉強のスケジュールは完璧だったのに今月はやれていないことが3つもある。


「ねぇねぇ、安達さん最近矢吹と仲いいけど大丈夫なの?」


珍しくクラスメイトの女子に話しかけられた。
いつも授業中うるさい彼女達は喋るために学校に来ているというぐらいお喋り好き。

以前、授業態度や服装について注意したことがあったけど「はは、なにそれウケる~」と聞き入れてもらえなかった。


「矢吹ってヤバい噂ばっかりだから近付かない方がいいよ~?」

「噂とは?」

「なんか薬やってる噂もあるし、たまに目付きやばいじゃん?恐い人に喧嘩売って追いかけられてるらしいし」

「え、矢吹の家がそっち系なんじゃないの?」

「体中入れ墨だらけらしいし気を付けた方がいいよ」


きっと彼女達は私を心配してるのではなく、その状況を傍観して楽しんでいるように見えた。

彼女達の世界はいち早く情報を手に入れた人が注目を浴びて優位にたてる。その向上心を勉強に向けられないものだろうか。

そうしたらこの学校だってまた進学校として成り立つのに。


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