君からのアイラブユー



矢吹くんはいつも自分勝手だ。 

渡しものなら明日学校でと言ったのに学校には持っていけないからと電話を切られてしまった。


そもそも夜の8時に出歩くなんてあり得ない。
駅までは20分かかるしまた時間を消費してしまう。

抗議の電話を何度もしているのに矢吹くんのスマホはすでに電源が切られているし嫌がらせとしか思えない。

ブツブツと文句を言いながらやりかけのノートを開いたけれど集中力はもう途切れてしまっていた。



「矢吹くん。私は文句を言いにきました」


駅に着くと自転車にまたがった矢吹くんが待っていた。


「悪いな、急に呼び出して」

私の気持ちとは裏腹に矢吹くんはご機嫌だ。上機嫌のところ申し訳ないけれど私は文句を言いたくて仕方がない。


「あの今後はこのようなことがないようにお願いします。電話は手短だったので今回は多目にみますが次回から約束は守って下さい。あと何故すぐにスマホの電源が切れているんですか?一方的に用件を言われてもこっちの事情が……」

「あー、電池切れてた」

「……」


電源の話よりもその他の返事が聞きたいのですが。それとも私が全てをまとめて言うからいけないのだろうか。

よし、一つ一つゆっくりと言ってみよう。

解決方法を見つけるのは得意だ。


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