君からのアイラブユー
「あのですね、矢吹くんまず守って欲しいことは……」
「はい、これ!」
私がせっかく歩み寄ろうとしているのに矢吹くんはお構い無しにそれを流す。矢吹くんの手には大きな紙袋。それを受けとるとズシリと重くて私は袋を抱えるように持った。
「……これなんですか?」
話の途中だったけどあまりに予想外の重みだったので中身が気になってしまった。
この時間に呼び出すということはよほど重要なものなんだろう。重さ的には英和辞典4冊分ぐらい。
この流れで矢吹くんが参考書や問題集を持ってきてくれたら足を運んだ時間も無駄にならないのに。
「あーそれ、らっきょ!」
「ら、らっきょっ!?」
確かに形が瓶のようだしほのかにお酢の匂いが……。いや、そうではなく!
「何故らっきょうを私に?」
矢吹くんは本当に何を考えてるか分からない。
解けない難問なんてなかったのにキミの出してくる問題は難しすぎです。
「今日近所に住んでるばあちゃんから大量のらっきょ貰ってさ。安達が好きか分かんなかったけどメールしても【そうですか】しか返ってこねーし」
だからカレーの話になったのか。
私が福神漬け派だったらどうしたんでしょう。
まぁ、らっきょうは大好きですが。