君からのアイラブユー
「頂いてもいいんですか?」
「おう!」
「でもひと瓶じゃないですか。これでは矢吹くんの分が」
「大丈夫。ばあちゃん2つ貰ったから」
矢吹くんのせいで調子がすっかり狂ってしまった。らっきょの言い方もらっきょうだと訂正したいし色々と言いたいことはあるんですが……。
「ありがとうございます」とお礼を言うと矢吹くんは嬉しそうに笑った。
「あ、矢吹くんちょっと確認したいことが……」
私はおもむろに矢吹くんの腕を見つめ、その次はガバッ!と着ていたTシャツをめくりあげた。
「わぁっちょ、な、なになになになに」
やっぱり入れ墨なんてどこにもない。
近所のおばあちゃんかららっきょうをお裾分けしてもらうぐらい近所付き合いがいいお家だし、誰があんな噂を広めたのだろう。
「なんだよ急に!心臓飛び出るだろ!」
矢吹くんは耳まで赤くてそんなに体を見られたのが恥ずかしいのか。逆だったらビンタでは済まないけど確認は早い方がいいと思って。
「矢吹くん。あなたはすごく誤解されやすいようですね」
最初は威圧的で苦手だったけど矢吹くんは決して恐い人ではありません。 少し、ほんの少しだけ……。
「あなたのことを知りたくなりました」
「え、それって俺とつきあ……」
「付き合いませんよ」
「……」
まだまだ許せないことや直して欲しいところは山ほどありますからね。