君からのアイラブユー
◇3◇ 「嘘は嫌いですよ」
次の日の学校。教室のざわめきは相変わらずで今日も全く先生の声が聞こえなかった。
いつもなら顔をしかめてしまうことも今日の私は少し違う。予習をしながら窓の外をみて優越感に浸ってみたり、
何故なら中間テストの結果が全教科満点だったからだ。
A組の原田くんの点数が気になるけれど、廊下で見かけた彼は少し悔しそうだったので恐らく満点ではなかったのだろう。
「ふふ……ふふ……」
返却されたテストを見ては笑みがとまらない。
やっぱり努力は裏切らない。最近スケジュール通りに勉強できていなかったけど今までの積み重ねが結果を残してくれたのだ。
「こわっ、え、どうした?」
休み時間に矢吹くんが現れても今の私の心は仏のようだった。
本当はテストが返されるまでは授業中にメールを送ってくる矢吹くんを注意しようと思っていたけど。
「矢吹くんはテストどうでした?」
「んー別にいつも通り」
「良ければ答案用紙を拝見したいのですが」
「あぁ、どこに閉まったっけ」
今日返ってきたはずなのに答案用紙は矢吹くんのカバンからぐちゃぐちゃになって出てきた。それを1枚1枚広げると、私の仏はどこかに旅立ってしまった。