君からのアイラブユー
「や、矢吹くんこれは一体……」
「だから答案用紙」
「いや、そうではなく」
矢吹くんの点数はほとんど一桁で1番いいのが歴史の16点。バツバツバツと埋め尽くされたテストはマルを探すのが大変なほどだ。
「矢吹くん。テスト中具合でも悪かったんですか?」
「いや全然元気」
「ではお疲れで眠ってしまったとか?」
「いや起きてた。時間余りすぎて暇だったけど」
矢吹くんが勉強していないのは知っているし好きじゃないことも分かる。私は勉強を生き甲斐にしているけどそうじゃない人を見下してる訳じゃない。
勉強楽しいのになぁとか、分からないことを聞いてこないかなぁとかうるさい人達にも心の声で問いかけたりするし。
しかしこれは問題、大問題だ!
「矢吹くん、これはまずいですよ。中間と期末合わせて80点取らないと進級出来ないのは知ってますか?」
「さっき担任にも言われた。このままだったら確実に赤点、確実に留年だって」
「……」
そもそも中間、期末合わせて80点はそんなに難しくない。学校側も留年する生徒を作りたくないだろうしハードルは下げている。簡単な話、40点を取ればいい。
でも矢吹くんの場合は別だ。
中間が一桁ということは期末にほぼ80点を取らなくてはいけないということ。