君からのアイラブユー
「あの、永井先生ちょっといいですか?」
授業が終わってすぐに私は騒がしくても注意しない先生に抗議しに行った。
「あれでは授業になりません。なんとかして下さい」
「そう言われてもなぁ」
ポリポリとあごを掻きながらの困り顔。永井先生は気が弱くて生徒達からからかわれるような先生だった。かといってこのまま放置すれば悪化するだけ。
テストも近いし私は100点取る自信があるけれど、意欲的に取り組んでる他の生徒が気の毒だ。
私が見る限り2、3人はいるはず。
「はぁ……選ぶ高校間違えたかな……」
思わずポツリと本音がもれた。
この学校は3年前までは県内でも5本の指に入る進学校だった。確実にいい大学を出ていい会社に入る。当時の在校生達はみんな参考書片手に通学していた。
中学1年生だった私にとってとても憧れで、その時からこの高校に入ると決めていた。
それなのに長年勤めていた校長先生が代わり、今では学力も方針も色々と変わってしまった。
……はぁ、どうしてこんな事になってしまったのだろう。