君からのアイラブユー



「……なるべく喧嘩はしないで下さい」

こんな痛々しい姿を見ていたら私の心臓がもたない。体力や持久力は持ち合わせてないのであまりドキドキさせないで欲しい。


「喧嘩売ってきたのは向こうだ。俺は悪くない」

「だからって……」

「こんな傷だって全然大したことことねーし、1対1だったらもっと……」

「矢吹くんっ!」


思わず〝らしくない゛声を上げてしまった。だって矢吹くんがまだやりたりないみたいな顔をするから……。


「どうしてそんなこと言うんですか?むしろ喧嘩ではなく話し合いで解決したらいいでしょう?」

「話し合い?はっ、ムリムリ」


矢吹くんは鼻で笑いながらそっぽを向いた。

矢吹くんのことをすごく心配したし、昨日あんな帰り方をしてしまった自分に対しても反省した。だからできれば言い争いなんてしたくないのに口が動く。


「そうやって聞きたくないことを聞き流してるからダメなんです。それに不機嫌になるということは私の意見に不満があるってことですよね?」

「あーうるせー」

「うるさい?今の聞き捨てなりませんね。とことん話し合いましょう!いいですか、まず矢吹くんは」

「はいはい、分かった分かった」


なんで上手く伝わらないんだろう。勉強だったら絶対に答えはあるし、そこへたどり着くヒントや公式は必ず存在するのに。

矢吹くんへの正しい計算式はどれですか?



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