君からのアイラブユー
しばらく重たい空気が保健室に漂い矢吹くんをチラッと見た。何やら考えてるような顔つきでまた私は怒らせたのだろうか……。
「つーかさっ!」
突然、矢吹くんが強い口調で言う。
やっぱり機嫌が悪い。傷を負ってる矢吹くんにいつものように説教してしまったから、きっときっと今度こそ本当に嫌になったのかもしれない。
「俺がダメダメってそんなにダメ?たまには1つぐらい良いところ言ってくれてもよくない?」
「え?」
思わず拍子抜けしてしまった。
矢吹くんはこれをずっと考えていたの?そもそも私はダメダメ言ってるだろうか?いや、さっき言ってしまった気もするけど……。
「矢吹くんは本当に面白い人ですね」
「は?まさかそれがいいところ?他には?他にはないの?」
本当に面白くて私の想像を常に飛び越えてくる矢吹くん。いつも虚勢を張って恐い人なんて言われてるけど本当は……。
「矢吹くんのいい所はひとつじゃないところです」
「え、なにそれ、ちょっと嬉しいけどなんか微妙に難しい。どうゆーこと?ほら、カッコいいとか優しいとか色々あるじゃん」
「ふふ、そうですね」
「いや、そうですねじゃなくて!」
結局いつの間にかいつもの私達に戻り、矢吹くんが放課後またたい焼きを食べに行こうと誘ってくれた。