君からのアイラブユー
それでも自分が頑張れば行きたい大学に行けるし将来だって明るい。この現状は悲しいけどもっともっと勉強しなくちゃ。1分1秒無駄にはしたくない。だって私の生き甲斐は……。
「おい、」
あまりに乱暴な声。制服はだらしないし髪色は茶髪。耳にはピアスをして眉間にシワを寄せている。それはまる決闘相手を待つような出で立ちだった。
「……」
生活指導はどうなっているのか。
茶髪にピアスなんて校則違反もいいところ。みんな生徒手帳に目を通していないのかな。そもそも生徒手帳はもう少し見やすく大きく改良すべきだと思う。
学年主任の山崎先生に相談してみよう。
「おい。安達芽衣子」
たくさんの人が行き来する廊下で響いた声。
安達芽衣子(あだち めいこ)とは私のことだけど。
「なにか用ですか?」
何故この人はこんなに険しい顔をしているのだろう。
小刻みに足は揺れて手には力が入っている。
私に決闘か何かを申し込みたいのかなんなのか。
体力を使う勝負ならお断りしよう。
体育は息抜き程度にと決めているし、そもそも活力は勉強以外に使いたくない。テストで勝負がいいな。それなら負ける気がしない。
「安達芽衣子」
「……」
「俺と付き合って下さいっ!!」