君からのアイラブユー
「はぁ?あんた誰?ごまかされないとかそんなことどうでもいいんだよ。こいつがやったってことにすれば面白いの!分かる?」
「分かりません。よほど矢吹くんを悪者にしたいようですが無駄ですよ」
「あ?」
「矢吹くんはそんなことする人じゃありませんから」
私は自分の目で見たものしか信じない。私の目で見た矢吹くんは不器用で子供っぽいところもあるけど、心だけはとても暖かい人。
その証拠に勉強一筋だった私がこんなにも変わってしまった。
「あんまりなめてると女でも殴るよ?」
矢吹くんが慌てて止めに入ろうとした時、いつの間にか私達の周りには騒ぎを見ていた大勢の人だかりができていたことに気付いた。
スマホで何やら写真を撮ろうとしたり、中には同じ学校の制服を着た人もいる。
「……ち、行くぞ」
男達は逃げるようにその場を立ち去り、私は一気に肩の力が抜けてしまった。