君からのアイラブユー


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「あの先生。先ほどの問題について質問があるんですがいいですか?」


古典の授業中、教室はやけに静かだった。
いや、正確には静まり返っていると言った方がいい。

なんて快適なんだ。毎日これなら有意義に過ごせるのに。


「つーか、さっきの話マジ?」

「あの矢吹が告白!?ありえねぇ……」

「なにかのゲームじゃないの?」

「むしろそのゲーム仕掛けた時点で殺されそう」

「安達さんって何者?」

「実はレディースの元総長とか」

「うわ、ありえ……なくもないか。あの矢吹にコクられたんだもんな……」


このヒソヒソ話さえ除けば。

私はどんな状況、どんな環境でも勉強できるスキルを持っているから構わないけれどあまり大袈裟な噂話は控えて欲しい。

私の学力からいって内申に響くことははずないから心配はしていないけど。


あ、そういえば昔悪夢について調べたことがあったな。

悪夢を見る6つの定義が書いてあったけどなんだったっけ。受験に必要ないと思って忘れてしまったけど家に帰ったらもう一度調べよう。


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