君からのアイラブユー
「おい、話があるからちょっと来い」
授業が終わったと同時に足音を響かせて近付く黒い影。それはピタリと私の机の前で止まった。
――おぉっ!!と歓声が教室に湧き、ギロリと彼が鋭い目でその観衆を睨むと嘘みたいに静まり返った。
「いいからちょっと来て」
その延長で彼の目線が私へ向けられる。
正直、彼の呼び出しに付いていく時間はないけれど、話があるなら仕方がない。丁度私もひと言言わなければと思ってた。
彼の足は人気のない中庭で止まった。
クルリと振り返ったその顔はやっぱり不機嫌で、
何故か鋭い目付きで私を見ている。
「……」
「……」
ただただ沈黙。見られているから私も見ているけど一体なんなのだろう?話があると言うから付いてきたのに。
「あの、次の授業の予習をしたいんですが」
私なりに待ってみたけど時間は過ぎていくばかり。チラッと腕時計を確認すると教室を出て5分が過ぎていた。
5分もあれば英単語が何個覚えられただろうか。