君からのアイラブユー




「安達芽衣子。さ、さっきの返事を聞かせて欲しい」


彼がやっと口を開いた。顔は真っ赤で体は少し震えている。……風邪気味なのかな。マスクをしてくれば良かった。


「あの、その前に私はあなたに沢山言いたいことがあるんですがいいでしょうか」

「え?」


「まずあなたは誰ですか?あと私のことをフルネームで呼ぶのは止めて下さい。それから人を呼び出す時は来て下さいと言うべきです。あなたの命令口調は誤解を招きます。それとその服装もどうかと思います。生徒手帳はお持ちですか?校則については3ページ目に……」


「ちょ、ちょっと待って」


慌てた様子で話を止められてしまった。彼はえーと……と頭を掻きながら一歩、また一歩と私との距離を縮めてきた。


「俺はD組の矢吹圭太。俺は安達めい……安達のことが好きなんだ。だから俺と付き合って欲しい」

「ごめんなさい」

「えぇ!?」


確か1回だけ目撃したことがある。ゲームに負けた山田くんがクラスの杉原さんに告白する現場を。

そのゲームはどうかと思ったのですぐに先生に報告したけど、男女が簡単に親しくしてはいけないと思う。


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