月、満ちる夜に

 え、嘘?


 名前……。


 なんだったっけ?


 忘れてはいないはずだ。


 数日前まで級友だったのだから。


 でも。


 伊達さん?


 違う。


 そんなふうに呼んだことはないはずなのに、頭の中の記憶が塗り替えられていく。


 伊達さん、て呼んでいたかも……。


 と、ありえないことなのに頭が勝手に納得していく。



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