涙雨

こんな風に過ごす冬休みもあっという間で、あたしと悠と龍平くんで行った初詣。


あっという間に年も開けて冬休みも終わり、気付けば高校生活最後の年になろうとしていた。


進路だ何だと騒がしい時期。


あたしには進路なんてないから皆んなとは気持ちのモチベーションが違った。


「もうすぐで3年生だねぇ〜。紺野さんは、進路もう決まってるのぉ?」


冬休み前より化粧が薄くなってて誰だか分からないけど口調とあたしの右前の席って事で、あのブリっ子だと確信が持てる。


ぶっちゃけ薄化粧の方が似合ってる。


…何て事はどうでもよくて。


「あたしは進学とかする気ないかな」

「えぇ〜!大丈夫なのそれ?」



なんかこの子に言われたくない言葉だな。

お前こそ決めてるのかいな。


「原田くんは?もう決めてるぅ?」

「俺は、今の生活を支えられるように自分なりに頑張るつもりだよ」

「なにそれ〜パパみたいだねぇ!」


悠的にはバイトを頑張りたいって意味なんだろうけど。


相変わらずこの子には言葉が通じない。





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