地味子×学年王子様~甘い学園物語~
地味子宣言!
…その日、私はいつもより早めに目が覚めた。
今日から、新しい生活の始まりだ。
今日は、県立向井(ムカイ)高校の入学式。
向井高校は、私の家の近くの最寄り駅から、5駅分離れた場所にある高校。
私の事を誰も知らない場所にする為に、高校は離れた所にする事にしたんだ。
暫くすると、有川が部屋に入って来て、その後にメイドさんがいつものように朝食を運んで来た。
その朝食をモソモソと食べて、支度を始めた。
まずは、髪のセット。
中学までは、専属の人が、髪からメイクまで、身だしなみはほとんど全て頼んでいた。
でも、私は『高校からは、全部自分でやる』と、断っていた。
中学まで、編み込みとかややこしい事を繰り返して、ウェーブを掛ける、ザ・お嬢様!みたいな髪型だったけど
そんな面倒な事はせず、軽く整える程度で、後は何もいじらない事にした。
メイクは…よくわかんないから、軽いナチュラルメイク程度で済ました。
「えっ、もうこんな時間っ?」
いつもより早く起きたつもりが、支度に手こずって、もうそろそろ家を出てなきゃいけない時間になろうとしていた。