地味子×学年王子様~甘い学園物語~
この学校にいる限り、私が社長令嬢な限り、私は騒がれなきゃいけない。
「でも、苺鈴、そんなに騒がれたくなければ、騒がれない方法を色々試してみれば良いじゃない」
朱里が冷静に言い放った。
まあ、朱里の言う通りなんだけどさ…。
「どうやって騒がれなくすんのよ?」
そう、本題はそこだ。
案が全く浮かばない。
「んー、例えば…
苺鈴はさ、自分がここまで騒がれる理由って、まずわかる?」
「うん…」
私は、社長令嬢だから、敬られる。
社長令嬢って公言したつもりはないけど、高級車に揺られて毎日登校していたら、誰だって悟るよね~…。
しかも、ここはお嬢様学校だから、そういう系の情報はすぐに回るし…
どうすればいいんだろ………。
…ん、待てよ。
「そうだっ!」
朱里が「うわっ」と驚いたように声をあげた。
「ど、どうしたの?」
「朱里、私さ、受験する!」
「えっ?」
朱里がすっとんきょうな声を出した。
普通の公立の高校を受験して、毎日車登校もやめれば、“普通の子”として見られて、注目されなくなる。