【完】午後7時のシンデレラ



彼らの言葉があまりにもひどいのでプイッとそっぽ向く。

憂さ晴らしにむしゃむしゃと残りの焼きそばパンにかぶりつく。


「な、なおっ」


急に勇人に名前を呼ばれ後ろを振り向く。


「俺はオイルかぶっても、直が好きだからな!」


顔を真っ赤にして、わたしをまっすぐ見つめる勇人。


しばしの沈黙。


ごくん、と最後のかけらを飲み込む。



「それはどうもありがとう。ところで、何の罰ゲーム?」


「ばっ、罰ゲームなんかじゃねえ!

青海苔つけてる直が好きだって、言ってんだよ!」


「えっ、やだ。うそっ」


カバンから鏡を出し、急いで確認する。

鏡の中に唇に何個も青海苔が付けているわたしがいる。


「そんなでっかい声で言わなくったっていいじゃない!

勇人のバカ!」


「何で俺が怒られるんだよ!」


そう。これもまた日常。


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