【完】午後7時のシンデレラ
「うう...ごめんね」
軽く柔らかい声が、彼女から発せられる。
わたしの手を握る感触が、ひんやりとしていて、なおかつ滑らか。
ゆるく巻かれた髪が揺れ、彼女は顔を上げる。
可愛らしい猫のような丸みのある目が、わたしを見つめる。
途端に可愛らしい顔が驚きの表情へと変わる。
「うっそ...
わたしにそっくり...」
わたしもまた、彼女を見て驚く。
脳裏に浮かぶのは、昨日の昼休みのあの雑誌。
「———藤井 志保...!」