【完】午後7時のシンデレラ
わたしたちは近くの公園に移動し、ベンチに腰掛ける。
「本当にそっくりね、私たち」
そう言って、彼女はペタペタとわたしの顔に触れる。
冷え性なのか指先が冷たい。
距離が縮まり、藤井さんのフレグランスがわたしの鼻に届く。
いい香り...。
小さい顔なのに瞳は大きくて、手足も長い。
ぽやーと見とれていると、彼女はいきなり両手を叩いた。
「ねえっ、私たち入れ替わってみない?!」
「...へ?」
キラキラした眼差しがわたしに向けられる。