【完】午後7時のシンデレラ
「入れ、入れ替わりだなんて無理ですよ!」
藤井さんの提案に、ぶんぶんと両手を振って否定する。
「えー? ちょっとしたゲームよ。ゲーム」
にこりと微笑み、瞳が半月状になったのがまたかわいい。
「ゲーム?」
「そ。あなたがわたしになれるのかどうか。
そしてわたしは20代にして、女子高生になれるのか」
わたしが藤井 志保になれる...。
彼女の美しいシルエットを眺める。
「楽しいゲームだと思わない?」
ずいっと近づく、綺麗な顔立ち。
同性でもドキッとしてしまう。
「...そう、ですね...」
逃れようと、つい口に出す。