【完】午後7時のシンデレラ
「えーっ。連絡先?
ど〜しよっかなぁ」
顎に手を当て、可愛らしいであろう高めの声を精一杯出す。
二人の男の子もまんざらそうじゃないし。
「じゃあ名前だけでも———」
「おい、なおっ!
遅刻すんぞーっ」
途端にわらわらと男子高生たちが集まり、その中の一人の男に首根っこをつかまれる。
首を掴まれた途端、むぎゃっと変な声が出てしまう。
しまった。この時間は登校のピークだった!
「ちょっ、ゆーとっ!」
「はいはい、おはよー」
黒の学ラン姿の男どもが、わたしの周りにあふれてる。