【完】午後7時のシンデレラ
「今回はデート特集で、藤井さんの場合公園です。
ですから、場所に影響はありませんのでだいじょう———」
「デート?!」
マネージャさんを宥めるように苦笑するスタッフさんの言葉を聞き返す。
「あれ、お伝えになられて...?」
「いえいえ、問題ありません」
マネージャーは会釈し、わたしの耳元で小さく囁く。
「これ以上乱すと、容赦しねえぞ」
蛇に睨まれたカエルのように、余計なことをしゃべるまいと口をつぐむ。
いや、デートなんて聞いてないし。
何より、そんなのしたことないのに!
緊急事態にわたしの頭はパニックを起こす。
デート特集って、きっとnan-naのだよね?
てことは、相手もモデルさん?!