【完】午後7時のシンデレラ
「代打を用意しておりますから!」
「本当ですか。助かりますー」
嬉しそうに笑うマネージャーさんと違い、わたしの顔はどんどん引きつる。
うそ、うそ、うそ。
どうしよう、わたし偽物なのに...。
着々とスタッフさんは準備を始める。
「志保、こっちだ」
マネージャーさんに名前を呼ばれ、返事をしてついていく。
外に設置してあるテーブルとイスを使った特設の控え室に通され、言われるがままに椅子に座る。
「今日はセルフでお願いしたけど、手直しする必要なさそうね」
座ると同時にスタイリストさんに軽く髪を触れられ、メイクさんに調子を整えられる。