【完】午後7時のシンデレラ
「え...」
予想外の言葉に、ピキッと表情が固まる。
「なんかほっぺにお肉ついてない?」
ムニムニとわたしの頬をつつく。
太ってるなんて、自覚してる。
自覚してるけど...
いざ言われるとかなりへこむ。
「それに髪の毛も短くなっちゃって...でも、とっても似合ってて可愛いわ」
ワックスをつけた手で髪を揉まれ、いい匂いが髪を纏う。
「あっ、撮影始まるみたい」
スタイリストさんの太った発言にへこむも「頑張れー」と背中を押され、前に出る。
「キレー...」
今日の撮影に使われる公園は、海に面した自然豊かな場所。
フェンスに立って、遠くのビルを見つめる。
潮の香りが心地いい。