【完】午後7時のシンデレラ
やばい、このままじゃナンパが...。
ちらりと二人のナンパ男に目線を配る。
二人は突然の男子高生の大群に恐れおののいてる模様。
「そ、そのカバン...
キミ、もしかして”ハイコー”?」
わたしの首根っこを掴んでいる、勇人のカバンを指してつぶやく。
「あ?だったらなんだよ」
眉根を寄せてどう見ても、喧嘩腰に答える勇人。
「じゃ、じゃあ、キミ...男だったのーっ?!」
驚愕の表情を浮かべたまま二人のナンパ男は逃げ出す。
「あっ、ああ...」
待って、と手を伸ばすも二人は立ち止まってくれず、そのまま視界の中から消えた。
「へっ。口ほどにもねえな。
な、なーおっ」
ヒーロー気取りにそう言うと、彼はわたしの顔を覗き込む。
「...ゆうとの...ばかーっ!!」