【完】午後7時のシンデレラ
手始めに二人で公園を散策することにした。
「...あの、俺ら恋人同士ですよね。
なんでそんなに離れるんですか?」
カメラを手に持ち、呆れたように言う彼。
そういうのも、前を歩く彼とわたしの間は約2メートルの距離がある。
「だって、そんな...」
年上の、しかもイケメンの男の人に慣れてないもん。
なんと言い訳しようか、自分の人差し指を突き合わせ言葉を探す。
すると彼は、短く息を吐いた。
「あんたさ、それでもプロのモデル?」
え...。
見上げた先の彼の瞳は冷め切っていて、がっかりしているようだった。