【完】午後7時のシンデレラ



「その手、離しなさいっ!」



ほうきを竹刀の代わりに構え、精一杯声を出す。

わたしの声に反応し、男たちはわたしを見る。



逃げちゃダメ。

恐れるな。



「えーっ、藤井 志保?!」


「マジかよ...え、なに代わりに相手してくれんの?」



男たちは女性の手を離し、ニヤついた顔でわたしに近づく。


相手の目を見据え、竹刀代わりのほうきを握り直す。


次の行動を読む。

相手がどう出るか見極めなきゃ。


まずほうきをつかもうとする手を払い、生半可な気持ちではないことを伝える。


払われた手の痛さからか、一気に相手の顔色が変わる。



「っ、この女...」



二人の男がわたしに襲いかかる。


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