【完】午後7時のシンデレラ
「これに懲りたら、二度と強引なナンパなんてしないことね」
腕まくりをして彼らを見下ろす。
腕を押さえて呻く男と目が合う。
「いてて...あれ、お前昨日の...」
「え゛」
よくよく見れば、彼らは昨日わたしにナンパしてきた男たちだった。
ぎゃあああ!!
「はやく、はやく行きなさい!」
「うわっ、やべえよこいつっ」
ほうきを振り回し、彼らを追い払う。
危ないところだった。
わたしが藤井 志保じゃないと、バレてしまうところだった。
「あの、ありがとうございましたっ」
助けて差し上げた女性から、ペコペコと頭を下げられる。
わたしもまた、ほうきを貸してくれたおじいさんに頭をさげる。