【完】午後7時のシンデレラ
わたし松永 直[マツバラ ナオ]は公立 灰原工業高校の2年生。
屈強なボディのザ・体育会系、細マッチョなヤンキー、アニメ好きそうなひ弱な地味メン。
様々な男子が勢ぞろい。
最近は工業高校をテーマにしたドラマや漫画のおかげで、女子のイメージもできました。
だけど依然としてハイコーの女生徒は少ない...。
だからかな。
さっきの男たちが、ハイコーと聞いて男だと口にしたのは。
それにしても、男だなんて失礼な!!
髪は機械に巻き込むと大変だからショートだけど...。
でもスカート履いてるのに!
「なんで怒ってんだよー。助けてやったんだぞ?」
「うるさいっ。人生初のナンパを邪魔したっ」
勇人こと、竹下 勇人[タケシタ ユウト]から距離を取ってずんずんと前を行く。
すると、スルリと軽やかにわたしの肩に手が回った。
「そうだよ直ちゃん。
朝っぱらからナンパするなんて、ろくなやつじゃないよ」
「圭史[ケイシ]...」
茶色に染まったゆるパーマ。
ニコりと微笑む、甘いマスクが不覚にもわたしの胸を高鳴らせる。
「どうせ、ヤリチンだヨ」