【完】午後7時のシンデレラ



次のスポットへ移動する前に、入り口付近のお土産コーナーに目が止まる。


そこにはお菓子やぬいぐるみだけでなく、様々なアクセサリーが売ってある。


思わず近づき、星が全面的にデザインされたシルバーの髪飾り。


かわいい...けど、ちょっぴり高い。


今の持ち合わせを確認しようと財布を取り出す。



「ままあ、このおもちゃうごかないよ〜」


「ほんとねえ。どうしましょう」


困っている声が聞こえ、声のする方を見ると若いお母さんと小さな男の子がいた。



「ネジ巻いても動かないねえ」



不満そうに男の子が振り回しているのは、ネジ付きのペンギンのおもちゃ。


手に取っていた髪飾りを元の位置に戻す。



「どうしたんですか?」



男の子の目線の高さまでしゃがむ。


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