【完】午後7時のシンデレラ



「まほーだったのかなー...」


校庭を眺めたまま、ポツリと呟く。



「魔法? そんな非科学的なもんあるかよ」


「おとぎ話じゃあるまいし」と勇人は鼻で笑う。



「なーおちゃんっ。

ほらこのハムカツサンドあげるから元気出して!」


「いらないし!何その高カロリーなやつ!」


「あれ。直ちゃんて、こういうのが好きじゃなかったっけ」



本気で悩む圭史に、軽く腹が立つ。


それでもわたしを慰めてくれようとする気持ちは伝わって来る。


憎めないんだよね。この人たちのこと。



「よーおっし!今日は食べるぞーっ」



ガブッと焼きそばパンにかぶりつく。

この濃厚なソースの味が一番美味しい。


絶対売りに出したら、いいとこ行くと思うけどなあ。

青海苔の香りにもうっとりする。


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